最高裁判所第二小法廷 昭和23年(れ)1098号 判決 1948年11月20日
主文
本件上告を棄却する。
理由
辯護人加賀竜夫の上告趣意第二點について
第一審判決において未決勾留日數中三十日を通算したのに第二審判決においては第一審における未決勾留日數中二十日を通算したことは所論の通りである。然し第一審判決の本刑は懲役八月で第二審判決の本刑は二月であるから両判決を比較してみると第二審判決による方が実刑に服すべき期間は遥かに短いのであって被告人にとり利益であること明かである、かかる場合には刑事訴訟法第四百三條の規定に違反するものではないと解すべきである。それ故論旨は理由なきものである。(その他の判決理由は省略する。)
よって本件上告は理由がないから刑事訴訟法第四百四十六條により主文の通り判決する。
以上は裁判官全員一致の意見である。
(裁判長裁判官 塚崎直義 裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 藤田八郎)